ティオティワカン 人面型装飾品

    • 文化様式 テオティワカン
    • 原産   メキシコ
    • 年代 450年〜650年
    • 素材 石
    • 大きさ H4.5cm W4.7cm
    • 価格  ¥750,000-
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緑色の斑状石に人面が彫られたティオティワカンの人面型装飾品。

 

開いた口、卵型の目へと延びる滑らかな頬、及び細い弓形の眉毛により醸し出される穏やかな表情が特徴的です。こうしたティオティワカンの理想像の多くには螺鈿細工が施され、高官や司祭により身に付けられていました。

 

神々の都市と称されるテオティワカンは、西暦600年までには世界で6番目の大都市に発展していました。温暖で肥沃な盆地に位置するこの都市の名声は、今日でもなお色あせることのないその文化と交易路の繁栄と同じように、急速に広がっていったのです。

経済の急速な成長とともに、都市部のエリートたちによる知的活動や記念碑の建設が活発化し、テオティワカンは宇宙と現生の始まりの地であるという思想が広がっていきました。こうした記念碑の概念は、「太陽のピラミッド」のような建築物だけでなく、物質的な大きさを上回る力強さを持つ小さな物体にもあてはめることができます。

例えばこのかわいらしい人面ペンダントもそのジャンルに該当します。人面の彫刻があしらわれたこのタイプのペンダントは、葬式にまつわる調度品の一部と考えられている一方で、埋葬室からはこうしたペンダントが一点も出土していないという不可解な事実も存在しています。こうした装飾品は、むしろ「死者の通り(Street of the Dead)」沿いに並ぶ寺院や寺の建物群の近くから出土することが多いのです。こうした理由から、これらの装飾品は、神になる過程にあるディアティー(Deity)を象徴するものとして、寺院の木造の骨組みに貼り付けられていたことが推測されます。または、要人の記章として腕に付けられていた可能性もあります。緑色の石の表面は温かな輝きを放ち、そこに描かれた顔には、まるでめい想状態にあるかような思いやりと穏やかさがあふれています。目に施されている小さな複数のくぼみには、かつては鏡のような黄鉄鉱が散りばめられ、光の反射を放っていたことでしょう。この彫刻からは、たいまつが燃え上がり、まるでお香のベールを通し別世界からこちらの世界をのぞいているようないくつものお面が壁に飾られた寺院での、ひそかな儀式の様子が想像されます。