古代メキシコ ティオティワカン 黒石立像

    • 文化様式 ティオティワカン
    • 原産   中央メキシコ
    • 年代 300年〜600年
    • 素材 黒色ステアタイト
    • 大きさ H8.3cm
    • 価格  ¥600,000-
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黒色のステアタイトに浅浮き彫りで神がかたどられた作品。

 

紀元後150~900年までの時代は、中米の発展の歴史上最も画期的な時期で、世界の大文明とも比較される数々の偉大な文明は、古典期として知られるこの輝かしい時代に出現し、メキシコの芸術が頂点を極め、まさに黄金期を迎えていました。そして数ある都市の中でも、テオティワカンは古代メキシコを代表する都市として栄華を極め、伝説と神秘の場所として、「人間が神になる地」としてその姿を変えていったのです。そして、この立像のような数々のすばらしい芸術作品は、古代の神々が集まったとされるこの場所で生み出されました。テオティワカンの工芸品の特徴が詰め込まれたこの作品には洗練された秩序があり、古代の芸術作品でありながら、驚くほど現代的な特徴も兼ね備えています。20世紀初期の抽象芸術をほうふつとさせる造形の表現を数本の線と曲線に絞った技法は、この作品に込められた精神的な本質を強調するうえで役立っています。

この立像は神そのものであることが推測され、その姿は瞑想し、祈りの言葉を唱えているようにも見えます。王冠の輪は、催眠状態を視覚的に表現したシンボルであるように思います。長年にわたり人々が触れてきたその表面は、滑らかな輝きを放ち、恐らく代々の所有者は、幸運をもたらすお守りとして、畏敬の念を持ってこの像を敬っていたに違いありません。テオティワカン文明は、700年頃に侵略者の手により最期を迎えましたが、人々の魂はこの石のマスクに今でも生き続け、その力強いエネルギーは時間と空間の境界線を越えて存在し続けているのです。