テラコッタ製 ビシュヌ神胸像 (年代判定済)

    • 文化様式 グプタ朝
    • 原産   インド
    • 年代 4世紀〜6世紀
    • 素材 テラコッタ
    • 大きさ 
    • 価格 ¥950,000-
メール プリント お友達に知らせる 拡大画像

ヒンドゥー教の神 ビシュヌ神の類い希な艶が美しい茶色のテラコッタ製胸像。

 

アーモンドの形をした目、アーチ状の眉、狭い鼻、厚い唇、かすかな微笑みが落ち着いた表情を演出しています。
ウェーブがかった髪に被せた宝石を散りばめた精巧な王冠は、エローラ石窟群およびアジャンター石窟群に今日も見ることが出来るように、グプタ様式の典型です。

後頭部には円状の後光が描かれ、中央に石、左胸に沿って瞑想用ストランドで飾り付けした大きなネックレスを身につけています。

もともとこの胸像には腕が4本有りましたが、現在は左上腕部2本のみです。


梵天王、シバ神と共にヒンズー教の3大守護神であるビシュヌ神は人類の救済者として崇められています。地球が危機に瀕したときあるいは人類が危機にさらされた時、ビシュヌ神は人間に姿を変えたり、自分の使いを送ったりします。ヒンズーの神話では、既に9回降臨しそれぞれ異なった姿に形を変えた(化身した)とも言われています。

一回目の化身は魚、次がカメ、猪、ライオン、バラモンの小人(ヴァーマナ)、斧を持った巨大戦士(パラシュラマ)、ラマ王、クリシュナ神、そしてその兄弟であるバララマ。ある意味、釈迦もビシュヌ神の化身とも考えられるでしょう。最後のひとつ10番目はこの世の最後に苦しむ人類を救うために来るものと言われ、その名はカルキで馬の頭を持ち胴体は人間の姿をしています。

 

グプタ期は古典インド芸術の頂点と考えられています。

四世紀初めから六世紀の終わりまで、グプタの統治者は北インドおよび中央インドの全域における全能の支配者でもあり、芸術家に対する容認と直接的な支援を行う彼らの進んだ政治姿勢は、巨大で世界主義的な同帝国における全ての形式の芸術を盛り立てていました。 

有名なグプタ様式は、それ以前に存在したものから誕生したと言えるでしょう。

ガンダーラおよびアマラーバチー地方のギリシャ系インド様式が、マトゥラの様な場所におけるクーチャン様式と強力に融合し、造り変えられたのです。仏教僧ならびに強力な帝国により送り出された商人によってもたらされたグプタ様式は東南アジア全域に広まり、その後新しい地で開花しました。