深いパティナを残す美しい黒い玄武岩の女神頭部像です。
頭部のみの状態がこの女神が何の女神であるのか特定することを難しくしています。
これはおそらく、ニンフか天女スラスンダリだと思われます。
頭飾りは繊細な表現のビーズで作られた垂れ下がるペンダントのようなもので装飾され、一本一本彫り込まれた髪は後頭部で一つにまとめられています。
広げられた耳たぶの穴に着けたイヤリングは大きな飾りが付いた小さな輪で作られています。
細く、弓なりの眉は繊細な浮き彫りで、膨らんだ瞳は虹彩が表現されています。
鼻筋の通った鷲鼻で、口元は微笑みを見せています。
また首は、ふくよかな肉付きの表現が見られます。
参考資料. L. ASthon (ed.), The art of India and Pakistan, London, 1949, fig. 252 / C. Sivaramurti, Indian sculpture, New-Delhi, 1961, pl.36 / Expo : Art of India, Tokyo, 1964, fig. 170 / M. Bussagli and C. Sivaramurti, 5000 years of the Art of India, 1978, fig. 242 / Expo : Inde, 5000 and d’Art, Paris, 1978, n°80