プレコロンビアンの古代西メキシコのナヤリット、ジャリスコ、コリマ近隣では特殊な埋葬の文化がありました。
死者と共に黒曜石の石器、貝や半貴石の装飾品、食物を入れる為の器、そして中が空洞のテラコッタで出来た人像土器、動物型土器などを一緒に埋葬していました。
このような埋葬のスタイルに関しては、現代ではまだ調査が始まったばかりで、それが特別な埋葬の儀式の為なのか、故人による土葬の希望だったのか定かではない部分が多くあります。
この美しいテラコッタ製の女性の裸体座像もまた、古代メキシコの高位の人物の埋葬品でした。美しい赤茶色、艶感が本当に素晴らしく、保存状態も大変良いものです。体には刺青が施され、腕は腹部の両脇に置かれ、足は僅かに開かれています。細長い顔には半開きの目と線の彫刻が施された美しい髪型、そしてペンダント、イヤリングが特徴的な穏やかな表情が描かれています。テラコッタには赤の釉薬が施され、胴体の刺青は茶色で描かれています。