背部の支柱と長方形の土台で固定されたミイラをかたどった珍しいウシャブティ像。
ミイラには3つに分かれたかつらと顎髭の装飾が施され、手にはくわとかまが握られています。
全面には象形文字の碑文で「Oudjachouの息子でワジャトの予言者であるオシリスに光あれ」と刻まれています。
母親の名前として刻まれているOudjachouは、ネクタネボ1世の妻と同じ名前なので、このミイラの人物は第30王朝期に生存し、故人の墓は恐らくサイスにあったものと推測されます。
顔、象形文字、手などの細かな造作と、火事による非常に珍しい黒色が特徴的な一品です。