ホウギュウをかたどった土器。
表面には黒ずんだ色の線が描かれ、前方にカーブしている角、突き出た鼻、背中のこぶが強調されています。
この作品のようなテラコッタの小像はモヘンジョ=ダロやハラッパからも出土しており、その様式と用途はハラッパ期全盛期(紀元前2600~2450年頃)のインダス谷全域で共通していたと考えられています。
前脚と後脚がつなぎ合わされたデザインは、この時代の小像に共通する特徴の1つです。チャヌ=ダロからは、操り人形として使われていたと思われる腹部に穴の開いた像も出土しています。
参考資料:J.Aruz ed, Art of the Ancient Cities, 2003: n° 276, p.390 / J.Kenoyer, Ancient Cities of the Indus Valley Civilization, 1998. / Musée Guimet, Les cites oubliées de l’Indus, 1988, n° 63-65.