淡い青と薄緑の下地の上に黒色の細部描写が施された大きなウシャブティ。
ミイラ形の像の手にはくわが握られ、頭部は3つに分けられた黒色のかつらにかたどられ、前面には死者の名前が刻まれています。
ウシャブティの胴体に見られる中心部の線を境とする色の違いは、2つの部分に分けて焼成したことによる、焼成方法の違いにより生じたものと考えられます。
接着加工が施されていますが、色の違いは現在でも確認でき、この2色の下地の色の差はこの作品の魅力をさらに引き出しているといえるでしょう。