テオティワカン・スタイルの仮面のペンダント。レッドジャスパーのような赤い点のついたまだらの濃い緑の石に彫られています。
唇が分かれて前方に伸ばされた気高い表現によって顔はさらに際立っており、薄く弧を描く眉の下で埋め込まれた楕円形の目に向けて滑らかな顔の表面が盛り上がっています。 鼻はわずかに平たくなっており鼻孔には穴が開けられています。
このマスクの一番の魅力は顔の表情です、おそらく彫刻家により意図的に非対称性に表現された事でさらに独特の美しさが際立っています。
吊り下げ用の穴は前側の上部に開けられており、二つの吊り下げ用の穴が耳たぶに、今は紛失している装飾品を吊るすために開けられています。 石の磨きは完璧で色は美しく、赤い点は血を思わせます。
このような理想的な肖像には、しばしば真珠層や貝を目のくぼみにはめ込む事によって装飾が施され、当時の高官や司祭などが身につけたものです。
Teotihuacan, Cité des Dieux, Expo. Paris, Musée du Quai Branly, 2010, cat. N° 234.