黒色粘土で作られた珍しい陶器杯。チムー族による陶器は良く磨かれていることが多く、この陶器杯も独特の艶感が大変美しいと思います。
浮き彫りの猿の装飾がほどこされたあぶみ型の注ぎ口と、寝そべりながら性行為をするカップルが描かれた長方形の胴体が特徴的で形状はいたってシンプルです。
スペイン植民地時代全のほとんどの文化では、性行為は快楽ではなく宗教的な行為と見なされていましたが、この作品の猿の装飾のように、ユーモアを加えて解釈することも許されていました。ハンドル部分に丸くくり抜かれた小さな4つの穴が空いていますが 用途は不明、大変良い保存状態です。