文化様式 古代エジプト
原産 エジプト
年代 紀元前664年〜525年頃
素材 青銅
大きさ H10.7cm
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エレガントな造形の古代エジプトの青銅製の猫です。
猫はバステト神として表現され、堂々とした落ち着いた姿勢で静かに座っています。
細く長い首、全体的にほっそりとした美しい体、後ろ足に沿うように尾が前足に向けてくるりと曲がっています。
中空のブロンズ製です、マットで大変美しい繊細な経年変化の緑色のパティナが体表面を覆っています。
古代エジプトでは猫が神聖視されおり、大切に守られていました。
例えば、ギリシアの史家ヘロドトスはその著書『歴史』の中で、火災時には真っ先に猫を救わなければならず、また猫が火の中に飛び込まないように監視をする人がいたとも記しています。猫は国の宝そのもので国外への持ち出しは禁止され、違法に持ち出された猫を連れ帰る役人などもいたようです。 また、飼い猫が死ぬとミイラとして埋葬し、人々は眉を剃って悲しみを表したといいます。
猫の瞳が光によって敏感に変化することや、暗闇でも物を見ることができることから、夜に太陽が隠れるように、猫の目も夜には細くなり、太陽は夜に猫の目を通して下界を見ることが出来ると考えていたようです。 猫の目が満ち欠けする現象を、月の満ち欠けと同じように、神ならではの現象と考えていたのかもしれません。
参考資料. Jaromir Malek, The cat in Ancient Egypt, London, 1993