 
  文化様式 ウタール・パラデシュまたはマドヤ・パラデシュ
      原産   インド
      年代   10〜11世紀
      素材   砂岩
    大きさ
     参考文献 für Indische Kunst, Berlin / Doshi, S. (ed.), Treasures of Indian Art: Germany’s Tribute to India’s Cultural Heritage, New Delhi: National Museum, 1998    
    
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アプサラスかパールヴァティー(シヴァの神妃)と思われる女神の頭部をかたどったピンク色の砂岩像。美しい彫刻が施された巻き髪、弓状の細い眉毛、バラの形の大きなイヤリングが特徴的です
      アプサラス(梵: अप्सरस)は、ヒンズー教および仏教の神話に出てくる雲と水を象徴する女性の精霊です。「アプサラス」という言葉には、「ニンフ(精霊)」「天女」「神聖な乙女」などの意味があります。 
      アプサラスは美しく神秘的な女性です。若々しく優雅で、踊りが非常にうまいのが特徴です。インドラの宮殿に仕える家来であるガンダルヴァを夫に持ちます。神々の宮殿で夫が演奏する音楽に合わせて踊り、神々や負傷した兵士たちをもてなします。負傷兵の世話人という意味では、北欧神話のワルキューレに当てはまるかもしれません。 
      アプサラスは自らの姿を自由に変えることができ、賭博運を左右するといわれています。インドラの宮殿で26人のアプサラスそれぞれが特徴的な踊りを披露する姿は、古代ギリシャのミューズを彷彿させます。水とのかかわりが深いアプサラスは、古代ギリシャのニンフ(精霊)やドリュアス(木の妖精)やナーイアス(水の妖精)のような存在といえるかもしれません。アプサラスは豊饒神崇拝の儀式にも登場します。 
    アプサラスは世俗的な「ラウキカ」と神聖な「ダイヴィカ」の2種類に分けられ、34人が前者に、10人が後者に属するといわれています。