モチカ 人面形像土器 狐
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シュンガ朝様式の土器

文化様式 シュンガ朝
     
原産   インド ベンガル
年代   紀元前2〜1世紀
素材   テラコッタ
大きさ
参考文献:Enamu Haque,Chandrakutegarh Chandraketugarh : A Treasure House of Bengal Terracottas. Dhaka, The International Centre for Study of Bengal Art, 2001 Dr Gourishankar De, Chandraketugarh, A lost civilisation, 2004.  
価格   価格はお気軽にお問い合わせ下さい。

Chandraketugarhの珍しい黒色土器。灰色に還元焼成された粘土製。壺の腹部には、人々を引き連れ森の中を進む行列の様子が生き生きと描かれています。行列の中心には、男性の従者とロバにひかれた馬車に乗った優雅な女性の姿が描かれています。女性の頭上には日傘が描かれ、手には花が握られています。行列の先頭には騎手が描かれています。馬車を見送る3人の容姿端麗な若い女性と、象に乗って馬車を追いかける3人の女性たちが描かれています。木の背後に隠れるサルなど、細部も躍動感に満ちあふれています。壺腹部は花のフリーズ(浮き彫り彫刻)により上下に分けられ、上部には姿勢の異なる4匹のシカが描かれています。登場人物は皆上品なヘアスタイル、大きなイヤリングに施された宝石、ネックレスやベルトを身に付け、似たような衣服を身にまとっています。中心に描かれているのは恐らく花婿に引き連れられた花嫁で、恐らく婚礼の行列をテーマにした作品と思われます。 主題が婚礼で、壺や水は喜びや繁栄を象徴していることを考えても、儀式用の壺もしくは婚礼祝いの贈り物として使われた品である可能性が高いと考えられます。遺跡の地として知られるChandraketugarhは、伝説的な人生を送ったその土地の王に由来する地名で、カルカッタから40キロほどのベンガル沖積平野に位置する村落群からなっています。テラコッタ製の多くの遺物が出土していたこの地域は、20世紀初めにはすでに遺跡の地として広く知られていました。この地域から出土した遺物には、型打ちの技術が駆使された盾、小像、装飾品やつぼなどが含まれ、その質の高さから、ベンガル南部で出土する同様のテラコッタはすべてChandraketugarhの名称で呼ばれるようになりました。Chandraketugarhに対する評価は広がってきてはいるものの、その研究は多くの点において初期段階にあります。破片として出土する遺物が多いため、土器の題材や用途の特定が難しく、その意味が明らかにされていないものも多くありますが、全体的には、紀元前4世紀から西暦5世紀までの長きにわたって作られ続けてきたものと考えられています。その中でも、紀元前約185~73年にわたって北インドに君臨したシャンガ朝時代には、特に多くの種類の土器が作られていたと考えられています。そして、シャンガ朝時代に開花したこうした芸術的風潮は、次の世紀にまで続いたと言われています。ここでご紹介している盾およびつぼはいずれもこうした時代背景および様式に当てはまるもので、複雑な描写および保存状態の良さを考えれば、遺物としては特に貴重な物です。粗末な素材で作られた民衆芸術とは思えない精巧な美しさが表現されたこれらの土器は、この地域のテラコッタに関する貴重な情報源となることでしょう。底部に穴があり頸部に修復が施されている点を除けば良い状態です。